ジャノメドリ(蛇ノ目鳥、学名:Eurypyga helias)は、ジャノメドリ目ジャノメドリ科ジャノメドリ属に分類される鳥類。本種のみでジャノメドリ科ジャノメドリ属を構成する(単型)。

分布

  • E. h. helias

エクアドル、ガイアナ、コロンビア東部、スリナム、ブラジル、フランス(仏領ギアナ)、ベネズエラ東部、ペルー北部、ボリビア北東部

  • E. h. major

グアテマラ、コスタリカ、コロンビア西部、ニカラグア、パナマ、ベネズエラ西部、ホンジュラス、メキシコ南部

  • E. h. meridionalis

ペルー南部

形態

全長43-48cm。上面は黒や赤褐色、灰色の羽毛で被われる。頭部は黒い羽毛で被われる。頸部や胸部が黄褐色の羽毛で被われ、黒い横縞が入る。喉や腹部は白い羽毛で被われる。尾羽には黒と赤褐色の横縞が2本入る。翼には赤や黒、白の斑紋が入り、眼状斑も入ることが和名の由来になっている。

頭部は小型。虹彩は赤い。嘴は長く直線的。上嘴の色彩は暗灰色。下嘴の色彩はオレンジがかった赤。頸部は細長い。後肢や第2-4趾は長いが、第1趾は短い。趾の間には水かきがない。後肢の色彩はオレンジがかった赤。

卵を覆う殻は淡黄色で黒い斑点が入る。

分類

  • Eurypyga helias helias (Pallas, 1781)
  • Eurypyga helias major
  • Eurypyga helias meridionalis

生態

標高1,800m以下の熱帯雨林内を流れる河川、池沼、湿原などに生息する。単独もしくはペア、家族群を形成して生活する。昼行性で夜間になると樹上で休む。渡りは行わない。危険を感じると樹上に飛翔して逃げたり、翼と尾羽を広げ眼状斑を相手に見せて威嚇する。

食性は動物食で、昆虫、クモ、甲殻類、貝類、魚類、カエルなどを食べる。頸部を縮めながら水辺や地表を徘徊し、獲物を見つけると素早く嘴を突き出して捕食する。

繁殖形態は卵生。威嚇と同じく翼と尾羽を広げて求愛する。樹上に木の枝や枯れ葉、草、泥を積み上げ植物の葉を敷いた巣を雌雄共に作り、1回に2-3個の卵を産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は約27日。育雛も雌雄共に行う。

画像

脚注

関連項目

  • ツル目

参考文献

  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社、1986年、172-174頁。
  • 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』、東京動物園協会、1989年、92-93、167頁。
  • 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、94、199頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、169頁。

外部リンク

  • The IUCN Red List of Threatened Species
    • BirdLife International 2009. Eurypyga helias. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.2.

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