1896年8月9日の日食(1896ねん8がつここのかのにっしょく)は、アジア中部・北部と東ヨーロッパで観測された。場所によっては皆既日食を観測できた。特記のない限り、時刻はUTCによる。また、中心食についての情報はによる。
中心食
中心食帯はノルウェー海に始まり、スカンディナビア半島北部、バレンツ海、ノバヤゼムリャ、カラ海を経てシベリアに上陸した。そこから南東に進み、沿海州北西部の北緯54.4度 東経132.2度 / 54.4; 132.2で5時9分6秒に最大食分1.0392、継続時間2分43秒、中心食帯の幅181.6 kmの中心食を迎えた。その後は樺太をかすめて北海道を通過し、ミッドウェー諸島南方の海上で終わった。
中心食帯に入った国・主要都市
- スウェーデン=ノルウェー
- ナルヴィク
- キルナ
- ロシア帝国
- ペルムスコエ
- 大日本帝国
- 宗谷
- 紋別
- 釧路
- 根室
観測
この日食は王立天文学会が初めて遠征観測を行った日食である。観測団はノルウェーのVadsøで観測を行ったが、悪天候のため失敗した。しかし、ノバヤゼムリャでは観測に成功した。
日本では北海道の道東が皆既日食帯に入り、厚岸、根室、紋別などでは悪天候のため観測できず、釧路では観測できた。枝幸においては米国のデイヴィッド・ペック・トッドと仏国のアンリ・デランドルが観測のために来日し、東京天文台長の寺尾寿も加わったが、やはり観測に失敗した。
脚注




